-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
投稿日カレンダー

皆さんこんにちは!
上甲断熱工業、更新担当の中西です。
今回は、「断熱工事における鉄則(基本原則)」について一般的な市場での動向を基にご紹介します。
断熱材をただ詰めればいい——と思われがちですが、本当の意味で性能を発揮させるためには、施工の質がすべてといっても過言ではありません。ここでは、プロが絶対に守っている断熱工事の鉄則を解説していきます。
断熱材がどれだけ高性能でも、わずかな隙間があれば意味が半減します。
柱の接合部・配管まわりの隙間をすべてチェック
開口部(サッシまわり)に気流止め材を忘れずに
電気配線・ダクトまわりの気密処理を丁寧に行う
断熱工事とは、「空気をコントロールする仕事」です。漏気=性能の崩壊だと心得ましょう。
特に繊維系(グラスウールなど)の断熱材は、ズレ・浮き・潰れが命取りになります。
柱と柱の間にジャストサイズで切って詰める
梁や筋交いのまわりも丁寧にカットしてフィットさせる
重ね過ぎや圧縮で性能が落ちないように注意
また、結露防止のための防湿フィルムの張り方も極めて重要。隙間なく連続して施工するのが基本中の基本です。
どんなに高性能な断熱材を使っても、金属製部材やコンクリートの接触部分から熱が逃げる“熱橋”があっては意味がありません。
サッシ枠・梁・ベランダ下などに断熱補強を加える
土間コンクリートや基礎部にも断熱層を設ける
屋根裏や天井裏にもしっかりと断熱材を敷き詰める
「断熱は連続性が命」という考え方で、熱の抜け道を1つでも減らしていきます。
断熱材にも多種多様な種類があります。それぞれの部位・環境に合わせて、最適なものを選ぶ判断力が必要です。
| 用途 | 適した断熱材 | 特徴 |
|---|---|---|
| 壁 | グラスウール、セルロースファイバー | 安価で施工しやすい |
| 屋根・天井 | 硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム | 高断熱で耐熱性が高い |
| 床下 | 押出ポリスチレンフォーム | 湿気に強く、耐圧性がある |
「コスト」「性能」「施工性」のバランスを見極めるのもプロの仕事です。
断熱材の中には、燃えやすい素材や音を通しやすいものもあります。
耐火基準のある建物では不燃認定を受けた材料を使う
共同住宅や二世帯住宅では吸音性の高い断熱材を選ぶ
間仕切り壁などでは断熱+遮音性能を両立させる必要あり
“断熱”という言葉に縛られず、総合的な快適性を作る工事であるという視点が求められます。
断熱工事は、完成後に目に見えない部分だからこそ、ごまかしが効かず、誠実な施工が求められる仕事です。
住む人の健康・快適さ・光熱費・家の寿命——すべてに関わる大事な仕事です。
だからこそ、プロは「見えない場所にこそ本気を込める」。
これが、断熱工事の鉄則なのです。
次回もお楽しみに!
上甲断熱工業では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!
私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。
ぜひ求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております!
![]()
皆さんこんにちは!
上甲断熱工業、更新担当の中西です。
今回は、「断熱工事の歴史」について詳しく掘り下げていきます。
今では当たり前になった「断熱住宅」ですが、かつては寒さも暑さも“我慢”するのが普通の時代でした。住まいの中の断熱がどう発展してきたのか——その歴史をたどることで、いかに断熱工事が重要な役割を果たしてきたかが見えてきます。
日本の伝統的な住宅は、夏の蒸し暑さを避けるために**「風を通す」ことを重視**して建てられていました。
縁側や開放的な間取り
断熱材は使わず、自然の通気で涼をとる
冬は火鉢やこたつでしのぐスタイル
このように、断熱の概念はほとんどなく、「冬は寒く、夏は暑い」ことを前提とした住まいが主流でした。
昭和40年代以降、住宅の構造が洋風化し、プレハブ住宅や鉄骨造の普及とともに断熱材が使われ始めます。
グラスウールやロックウールといった繊維系断熱材が導入
アルミサッシ・ガラス窓が一般的になる
一般住宅にも断熱材を入れる動きがスタート
この時代はまだ「夏の暑さ対策」より「冬の寒さ対策」が主流で、断熱=寒冷地の対策という認識が強かったのが特徴です。
1990年代以降、省エネルギー法の改正が進み、住宅にも高断熱化が求められるようになりました。
建築物省エネ法により**外皮性能(断熱性)**が明確に定義される
ペアガラス(複層ガラス)や高断熱サッシの普及
発泡系断熱材(硬質ウレタンフォームなど)が台頭
ここから断熱は「寒さ対策」だけでなく、「冷暖房効率を高める」省エネ性能の根幹として位置づけられていきます。
今の断熱工事は、単に室温を保つだけでなく、以下のような生活の質全体を向上させる要素を持っています。
ヒートショックを防ぐための室内温度の均一化
結露防止による建物の長寿命化
冷暖房エネルギーの削減によるCO₂排出の削減
また、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の広がりにより、断熱と再生可能エネルギーがセットで考えられる時代になってきています。
断熱は、目に見えない部分で私たちの暮らしを快適に、安全に、そして地球にもやさしくしてくれます。
その進化の裏には、材料の開発・工法の改善・法整備といった多くの技術と努力があるのです。
次回は、そんな断熱工事の現場で守るべき「鉄則」について、詳しくご紹介します!
次回もお楽しみに!
上甲断熱工業では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!
私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。
ぜひ求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております!
![]()