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月別アーカイブ: 2025年5月

第8回断熱工事雑学講座

皆さんこんにちは!

 

上甲断熱工業、更新担当の中西です。

 

 

断熱工事の鉄則 〜快適さと品質を支えるプロの仕事術〜

 

 


今回は、「断熱工事における鉄則(基本原則)」について一般的な市場での動向を基にご紹介します。


断熱材をただ詰めればいい——と思われがちですが、本当の意味で性能を発揮させるためには、施工の質がすべてといっても過言ではありません。ここでは、プロが絶対に守っている断熱工事の鉄則を解説していきます。


📏鉄則①:施工前の「隙間チェック」を徹底せよ

 

断熱材がどれだけ高性能でも、わずかな隙間があれば意味が半減します

  • 柱の接合部・配管まわりの隙間をすべてチェック

  • 開口部(サッシまわり)に気流止め材を忘れずに

  • 電気配線・ダクトまわりの気密処理を丁寧に行う

 

断熱工事とは、「空気をコントロールする仕事」です。漏気=性能の崩壊だと心得ましょう。


🧱鉄則②:断熱材は「ピッタリ・均一」に入れる

 

特に繊維系(グラスウールなど)の断熱材は、ズレ・浮き・潰れが命取りになります。

  • 柱と柱の間にジャストサイズで切って詰める

  • 梁や筋交いのまわりも丁寧にカットしてフィットさせる

  • 重ね過ぎや圧縮で性能が落ちないように注意

 

また、結露防止のための防湿フィルムの張り方も極めて重要。隙間なく連続して施工するのが基本中の基本です。


🔧鉄則③:断熱は「熱橋(ヒートブリッジ)」を作らない設計が命

 

どんなに高性能な断熱材を使っても、金属製部材やコンクリートの接触部分から熱が逃げる“熱橋”があっては意味がありません

  • サッシ枠・梁・ベランダ下などに断熱補強を加える

  • 土間コンクリートや基礎部にも断熱層を設ける

  • 屋根裏や天井裏にもしっかりと断熱材を敷き詰める

 

断熱は連続性が命」という考え方で、熱の抜け道を1つでも減らしていきます。


🛠鉄則④:断熱材は「用途に応じて」使い分ける

 

断熱材にも多種多様な種類があります。それぞれの部位・環境に合わせて、最適なものを選ぶ判断力が必要です。

用途 適した断熱材 特徴
グラスウール、セルロースファイバー 安価で施工しやすい
屋根・天井 硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム 高断熱で耐熱性が高い
床下 押出ポリスチレンフォーム 湿気に強く、耐圧性がある

「コスト」「性能」「施工性」のバランスを見極めるのもプロの仕事です。


🧯鉄則⑤:断熱工事は「防火・防音」も見据えよ

 

断熱材の中には、燃えやすい素材や音を通しやすいものもあります。

  • 耐火基準のある建物では不燃認定を受けた材料を使う

  • 共同住宅や二世帯住宅では吸音性の高い断熱材を選ぶ

  • 間仕切り壁などでは断熱+遮音性能を両立させる必要あり

 

“断熱”という言葉に縛られず、総合的な快適性を作る工事であるという視点が求められます。


✨まとめ:断熱の質=住まいの質

 

断熱工事は、完成後に目に見えない部分だからこそ、ごまかしが効かず、誠実な施工が求められる仕事です。
住む人の健康・快適さ・光熱費・家の寿命——すべてに関わる大事な仕事です。

だからこそ、プロは「見えない場所にこそ本気を込める」。
これが、断熱工事の鉄則なのです。

次回もお楽しみに!

 

 

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第7回断熱工事雑学講座

皆さんこんにちは!


上甲断熱工業、更新担当の中西です。

 

 

断熱工事の歴史 〜住まいを快適にするための進化の軌跡〜


今回は、「断熱工事の歴史」について詳しく掘り下げていきます。


今では当たり前になった「断熱住宅」ですが、かつては寒さも暑さも“我慢”するのが普通の時代でした。住まいの中の断熱がどう発展してきたのか——その歴史をたどることで、いかに断熱工事が重要な役割を果たしてきたかが見えてきます。


🏠1. 昔の日本家屋は「風通し」が命だった

 

日本の伝統的な住宅は、夏の蒸し暑さを避けるために**「風を通す」ことを重視**して建てられていました。

  • 縁側や開放的な間取り

  • 断熱材は使わず、自然の通気で涼をとる

  • 冬は火鉢やこたつでしのぐスタイル

 

このように、断熱の概念はほとんどなく、「冬は寒く、夏は暑い」ことを前提とした住まいが主流でした。


🏗2. 高度経済成長期〜昭和の中期:「断熱材」が登場

 

昭和40年代以降、住宅の構造が洋風化し、プレハブ住宅や鉄骨造の普及とともに断熱材が使われ始めます。

  • グラスウールやロックウールといった繊維系断熱材が導入

  • アルミサッシ・ガラス窓が一般的になる

  • 一般住宅にも断熱材を入れる動きがスタート

 

この時代はまだ「夏の暑さ対策」より「冬の寒さ対策」が主流で、断熱=寒冷地の対策という認識が強かったのが特徴です。


❄3. 平成に入り、断熱基準が強化される

 

1990年代以降、省エネルギー法の改正が進み、住宅にも高断熱化が求められるようになりました。

  • 建築物省エネ法により**外皮性能(断熱性)**が明確に定義される

  • ペアガラス(複層ガラス)や高断熱サッシの普及

  • 発泡系断熱材(硬質ウレタンフォームなど)が台頭

 

ここから断熱は「寒さ対策」だけでなく、「冷暖房効率を高める」省エネ性能の根幹として位置づけられていきます。


🌍4. 令和の現在:断熱は「健康」と「環境」のための工事に

 

今の断熱工事は、単に室温を保つだけでなく、以下のような生活の質全体を向上させる要素を持っています。

  • ヒートショックを防ぐための室内温度の均一化

  • 結露防止による建物の長寿命化

  • 冷暖房エネルギーの削減によるCO₂排出の削減

 

また、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の広がりにより、断熱と再生可能エネルギーがセットで考えられる時代になってきています。


✨まとめ:断熱は「見えないインフラ」

 

断熱は、目に見えない部分で私たちの暮らしを快適に、安全に、そして地球にもやさしくしてくれます。
その進化の裏には、材料の開発・工法の改善・法整備といった多くの技術と努力があるのです。

次回は、そんな断熱工事の現場で守るべき「鉄則」について、詳しくご紹介します!

次回もお楽しみに!

 

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