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月別アーカイブ: 2025年6月

第10回断熱工事雑学講座

皆さんこんにちは!

 

上甲断熱工業、更新担当の中西です。

 

 

 

断熱工事の未来〜カーボンニュートラル時代の主役へ〜

前回の記事では、断熱工事と環境のつながりについてお話しました。

今回は、これからの断熱工事がどのように進化していくのか――技術革新・社会的使命・職人の未来など、多角的な視点から“断熱の未来像”を描いていきます。


■ カーボンニュートラル時代における断熱の役割

 

日本は2050年までにカーボンニュートラル(脱炭素社会)を実現することを目標としています。そのなかで、住宅や建物のエネルギー消費量を削減する断熱技術は最前線にある政策課題です。

キーワードは「省エネ等級」「ZEH」「LCCO₂」

  • 国土交通省の省エネ基準適合義務化

  • 再生可能エネルギーとの組み合わせによるゼロエネルギー住宅(ZEH)

  • ライフサイクルCO₂削減(LCCO₂)への対応

これらの制度を実現する上で、断熱工事の精度・品質が成否を分ける時代になってきています。


■ 技術革新が変える断熱工事

 

① スマート断熱材の登場

  • 真空断熱材(VIP):従来の5分の1の厚さで同等性能

  • エアロゲル断熱材:宇宙技術由来の超軽量素材

  • 相変化材料(PCM):昼は熱を蓄え、夜に放出する“温度コントロール型”断熱

これらは高価格ではあるものの、高断熱・薄型化・建築自由度の向上をもたらし、今後ますます普及が期待されています。

② デジタル施工技術との連携

  • ドローン・3Dスキャナーによる建物の熱損失シミュレーション

  • BIM(建築情報モデリング)連携による断熱材配置最適化

  • スマートグラスによるAR断熱施工支援

現場とデータが直結する時代、職人の感覚+デジタルの精度が融合することで、断熱施工のミスゼロ化・最適化が実現しようとしています。


■ 人材育成と働き方の未来

 

● 断熱職人=環境技術者へ進化

これからの断熱工事の担い手には、以下のような資質が求められます。

  • 環境知識(省エネ・断熱材特性・法制度)

  • 技能実習+ICT操作能力

  • エコ施工への高い意識

国や自治体でも「断熱マイスター」「ZEH技術者」などの専門職化・資格化が進んでおり、職人の社会的地位も今後上昇していくと見られています。


■ 断熱の役割は「建築」から「社会」へ

 

かつては「快適にするための内装」だった断熱は、今では脱炭素、健康、防災、経済性といった社会課題にも関与する、総合的な技術分野へと進化しています。

  • 災害時の温度保持による避難所の機能維持

  • 断熱改修による高齢者のヒートショック防止

  • 低所得者層への住宅支援政策(断熱バウチャー)

など、断熱はインフラであり、福祉であり、環境政策でもあるのです。


■ まとめ:断熱工事は“未来を温める”仕事へ

 

断熱工事の未来は、まさに“希望の断熱”と呼べる方向に進んでいます。

  • テクノロジーと融合する高性能断熱

  • 地球環境を救うエコ性能の担い手

  • 若い世代が活躍できる魅力ある仕事へ

見えないところで、未来の暮らしを守り続ける――それが、これからの断熱工事です。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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第9回断熱工事雑学講座

皆さんこんにちは!

 

上甲断熱工業、更新担当の中西です。

 

 

 

断熱工事と環境〜目に見えない“省エネ”が地球を守る〜

今回は「断熱工事」と「環境問題」というテーマで、あまり注目されないけれど実はとても重要な関係性について深掘りしてみたいと思います。


■ 断熱工事とは?

 

断熱工事とは、建物や配管、ダクト、設備機器などに対して、熱の出入りを抑えるための施工を行うことです。対象は広く、以下のような場所で実施されます。

  • 一般住宅の壁・床・天井・窓

  • 冷暖房用ダクトや給湯配管

  • 工場の高温・低温機器(ボイラー・冷凍機・配管など)

  • 倉庫や物流施設の冷蔵・冷凍室

目的は、冷暖房エネルギーの無駄を防ぐ、省エネ化を実現する、快適性を高めることにあります。


■ 断熱工事が環境に与える正と負のインパクト

 

【正の効果】省エネ=CO₂削減!

断熱がしっかりしていると、室内の温度が外に逃げにくく、冷暖房のエネルギー消費を大幅に抑えられます。

  • エアコン稼働時間が短縮

  • 暖房負荷が軽減

  • 結果的に電力・ガスの消費が削減

これにより、二酸化炭素(CO₂)の排出量削減に直結し、地球温暖化対策に貢献します。特に、日本のような四季がはっきりした地域では、その効果は非常に大きいとされています。

【負の側面】断熱材の製造・廃棄が環境に影響

ただし、断熱材を製造・施工・廃棄する過程では、環境への負荷も無視できません。

製造時:

  • 発泡剤に温室効果ガス(HFC)が使われることがある

  • 化学樹脂を主成分とする材料のエネルギー負荷が大きい

廃棄時:

  • 一部の断熱材は焼却時に有害ガスを発生

  • リサイクル困難な素材も多く、埋立処分に回る割合が高い

つまり、「どんな断熱材を選ぶか」「施工時にムダを出さないか」「どう処分するか」が、環境配慮の鍵を握ります。


■ 現場での環境配慮の実践例

 

● グリーン断熱材の導入

環境対応型の断熱材として、以下のような素材が注目されています。

  • セルロースファイバー:古紙を再利用した自然素材

  • 炭化コルク:樹皮を使った再生可能な素材

  • 天然ウール:通気性と調湿性に優れたエコ資材

これらは再生可能・無害・リサイクルしやすいという特徴を持ち、近年の高断熱住宅で積極的に採用されています。

● 施工の工夫で材料ロス削減

  • 現場での正確な採寸とカット

  • 発泡系材料の無駄な充填の抑制

  • 端材の回収・再利用の仕組み化

など、職人一人ひとりの意識によって、現場のエコが変わります。


■ 建築全体のエコ性能を左右する存在

 

断熱工事は、構造・電気・空調といった他の工種と比べて**「見えない部分」に施工されることが多い**ため、軽視されがちですが、建物全体の省エネ性能を左右する基盤的な工事です。

  • HEAT20やZEHなどの認定取得にも関与

  • 建物の長寿命化と快適性を同時に向上

  • 建築物のライフサイクルCO₂削減に大きく寄与


■ まとめ:静かに地球を支える“断熱”という仕事

 

断熱工事は、騒がず、目立たず、しかし確実に未来のエネルギー消費と地球環境を変えていく仕事です。

これからの建築・設備業界にとって、断熱はもはや「オプション」ではなく「標準対応」。環境配慮を本気で考えるなら、まずは“目に見えない断熱”に目を向けてみましょう。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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